木の陰でコソコソと泥棒のように怪しくキョロキョロしている人物が一人
・・・ってそれ私なんだけどさ。
いや、どうにもこうにも試合を見に来てる女の子たちの迫力が凄くって前に行けないというか。 さすがの私もあんなキャーキャー叫んでる子達の中には入れない。
だってシャイガールだもん☆(どの口が言うか)
ていうかね、「功刀くーんv」とか叫んでる女の子の声が聞こえてくるとぶっ飛ばしたくなるから、それを抑えるためにもこんな遠くに居るわけで。 『ゴラぁ!誰の許可得てカズさんの名前を呼んどんねーーん! 』とか言いそうな自分が怖いわけで。
そんな事言おうものなら逆にこっちが返り討ちに遭ってしまう。
うっお、怖ぇえ!くわばらくわばら・・・痛て!


悪ノリ★リレー!第十話:「初・対・面 だよ、さあ猫被れ!」

何!?誰だ私の頭を殴ったのはーー!?
「俺じゃ。何か文句あるんか、この変質者」
どーんと仁王立ちで見下ろすそのお方は、さっきまでグラウンドで試合に奮闘していた城光与志忠その人だった。 ギロリと睨まれて訝しんだ目を向けられて、「え、えへへ?」と笑って誤魔化してみる。
や、やーだ、与っさんてばvそんな怖い顔してどしたのーん、はい笑って笑って、にっこりー・・・ってか、今私の事変質者とか言った?言ったよね? 私のどこが変質者だってんだ、コラぁー!!
「こげん隅でコソコソしよって変質者にしか見えへんったい、阿呆が。なしもっと前に来んとや、お前。毎回遠くからしか応援せんよな、何でじゃ」
むぅー。だってあんな人混みの中に入ってくの嫌だもん。
「気にするこつ無かやろ。お前なら人押し退けて最前列に陣取るくらい簡単ちゃろ。」
あ、それ偏見。私の事どういう目で見てんの、与っさん! 私シャイなんだよ、儚い繊細な乙女なんだよ、あんな場所に行ったら押し潰されて倒れちゃう(しなを作って目うるうる)
「心臓に毛生えとう奴が何言うとうとや。」
んなとこに毛なんぞ生えとらんわぁーー!!繊細乙女に何を言うかーー!!
「叫ぶなや、せからしか。お前のどこをどう見たら乙女に見えるっちゅうんじゃ。つうか、お前ちゃんと試合見とったか?」
そりゃあもちろん!凛々しいカズさんのお姿をこの望遠カメラでバッチリ収めましたぜ、旦那!
「・・・・・・・・ふーん。カズだけか」
ん?あれあれ?何だかちょっとガッカリ君?
口尖らせちゃって、やーだ、与っさんってば拗ねちゃって、可愛いーーんvv(ガバッと抱き着き)
「バっ!アホか!拗ねてなんぞおらんと!つか抱き着くなーー!!」
うふふふふんv与っさんの勇姿ももちろんバッチリ撮ったに決まってんじゃん、試合勝ったね、おめでとう!格好良かったよ、与っさんv
「・・・そ、そうか?」(照)
ぶっほぉあ!ななな何だこの可愛いの!! 褒めたら頬染めて顔背けて照れちゃうなんて可愛いすぎだ、このーー!!(抱き着く力を強めて与の腹辺りで頭ぐりぐり押し付け) (つか、マジに可愛い過ぎて鼻血吹きそうになったよ、危ねぇ!)
「ぐへっ!や、やめぇ!離れろて腕力緩めろ、苦しいわーー!」
あ、ごめんごめん。あんまり与っさんが可愛いもんだからつい。
「可愛い言うな、アホ!俺のどこをどうしたら可愛いなんちゅう言葉が出てくっとや!?」
え?何で?与っさんて可愛いじゃん。 んで、試合中はすんごい格好良いし、それとのギャップがね、もうね、私の中で「好きだーー!!」って膨れ上がっもが!(口塞がれた)
「もうよか!お前はなしそげんこつを照れもせんとベラベラと・・・ったく」(溜息)
あらやだ、またこの子は照れちゃってv
いやでも手離してください。 口と鼻両方塞がれたら息出来ませんーー!とジタバタと暴れると、与っさんはようやく気付いたようで手を離してくれた。
すーはーと何度か深い呼吸を繰り返して酸素を吸入していると、与っさんがポリポリと頭を掻いて何やら思案していた。

何、どしたの、与っさん?てかさ、何か用があって私んとこ来たんじゃないの?いっつも試合後はミーティングやったりとかしてて来ないくせに。
「いや、あのな・・・あー、カズにお前を紹介するっちゅう話やけどな」
え。わわ、今から会わせてくれるの!?やったーい!
「待て!ちょい待て!」
ん?何?あ、化粧直しは今からささっとバッチリやるよ?
「違うわ、そげんこつやのうてやな・・・その、お前、カズの前でもそんなテンションで出ていきそうやけん、釘を差しに来たと」
へあ?何だそれ。
「やから・・・いっつもみたくおかしなノリで喋ったりとかすぐ抱き着いたりとかな、そげんこつをせんとってほしかなんじゃ。 アイツ、元々女と喋るのあんま免疫無かやし・・・」
あー、私がカズさんに何か変な事をしないか心配なワケね。で、仮にも私を与っさんの友達として紹介するんだからそんな行動は極力慎め、と。
了解了解、大丈夫よー。私、そういう時の猫被りは天下一品だから☆
「・・・・・いまいち信用ならんが、まぁよか。そういうこつやけん、大人しぅせろよ?」
はーい!
「んなら今からカズ呼んでくるけん、ここで待っとれや」
了解です、大佐!
「だけん大佐で誰やっちゅうんじゃ・・・」

ハア、と与っさんは溜息を吐きつつ呆れつつ、グラウンドの方へと戻っていった。
うふ、うふふふふふーv今からカズさんに会える!生のカズさんにだよ!もぉーう、与っさんには大感謝! まさか本当に会わせてくれるなんて、ね。こんな口約束を律儀に守ってくれるんだから、男の中の男だよねぇ。大好きだ!
おっと、こんなボーっとしてらんねぇや、化粧直しと被る猫をわんさかと背負っておかないと!
いそいそと木陰でバッグをごそごそと漁って、カズさんの前に出てもおかしくないかどうかをチェックして待つ事数分。 試合の人波がだんだんと少なくなってきた頃に、与っさんがカズさんをこっちへと連れてきてくれた。
小さな影が近付いてきて、それと同時に私の心臓はバクバクと大きな音を立て始める。 しゃきん!と背筋を伸ばして、暴れる心臓辺りを掴んで近付いてくる人影を凝視する。
「朱里、待たせたな」
う、ううん!全然!
「カズ。俺の友達の朱里。お前のファンでな、一回お前に会いたかやて言うとった奴ったい」
「どーも」
あ、ああああの、初めまして!佐倉朱里と申します!
うわあうわああ!本当にカズさんだよ、私の目の前にカズさんが居るよぉーーう!!
いかんいかん、落ち着け、落ち着くんだ私!カズさんに醜態を見せちゃいけないんだからね!とそう自分に言い聞かせて、気付かれないように深呼吸をする。
あの、私ずっと前にカズ・・・功刀さんのプレーを見てファンになって・・・それからずっと応援してます。フィールドを見据える強い目とかどんなシュートも俊敏な動きでセーブしたりとか、そんな凄いプレイを見て凄いなあって惹かれてるんです。すごく憧れてるんです!
「そ、そうっすか・・・(お、おいヨシ!こげん直球で言われっとばり照れてまうと!どげんすりゃよかなんじゃ!?)」
「(んなもんお前が判断せろや。俺は紹介しただけの仲介人やけんな)」
それで・・・それで、あのっ!これ、スポーツタオルなんですけど、良ければ貰ってください!
「は?いや、そんな、貰うわけには」
いえ!私が功刀さんに使って欲しくて、どうか受け取ってもらえませんか?
「よかやないか。貰っとけや、カズ。」
「ん・・・なら、どうも。あー、ありが、とう」
いえ!って、わわ!?
(カカカカズさんの指がチョンと私の手に触れちゃったよ!?ぎゃーーーす!!)
「え?どうかしましたか」
いいいいえ何でもないです!わざわざ有難う御座いました!
「いや、こっちこそ貰うてしもうて」
「・・・(ほんま朱里の奴、俺と喋る時と全然態度違うやなかか。どんだけ猫被ってきとうとや。つかお前キョドリすぎやしどもりすぎっちゃぞ)」(呆れ)

「ばってん・・・ヨシが居んのに俺が貰うてしもうてよかなんスか」
へ?
「は?何言うとうとや、カズ」
「いや・・・何や柊がヨシと、えっと佐倉、さん?がコイビトやと思うとったとか何とか言うとったんちょろっと聞こえたけん」
「「はぁあ!?」」
「何言うとうとや、俺と朱里がコイビトー!?そげんこつあるわけなかやろ!有り得へんったい!」
そそそそうですよ!ななな何を唐突に・・・っ、
(柊さん何て事をカズさんに吹き込んでんのー!?) (あ、でも与っさんとコイビトってそれも私は大歓迎だけど。)(←本音)
「そ、そうなんか?いや、2人がばり仲良かやて聞いとったし・・・したら柊の勘違いなんちゃな」
「勘違いやて訂正しといてくれ、カズ・・・ほんま有り得へん・・・(肩を落として深い溜息)」
「そ、そうか・・・;あー、じゃあ俺は戻るんで。先行っとうぞ、ヨシ」
「ん?おー、俺も後からすぐ行くったい」
私の方にペコリと軽く頭を下げたカズさんは、くるりと踵を返して走っていった。

その後姿をポーッと、恍惚といった表現がピッタリな表情で見送っていると、パコンと頭を叩かれた。
「で?どうじゃ、感想は」
う、ううーーー!与っさんありがとおーーー!!(抱き着き!)
「まっまたお前は!なし抱き着くとやー!?」
だってだって嬉しいんだもん!与っさん様様だよ!本当ありがと!大好きーーーvv
「だけんお前は腕の力をそげん強うすんなっつのーー!!」

こうしてカズさんとの初対面を終えた私はその後も与から離れず困らせまくり、殴られて撃沈するまでカズさんに会えた嬉しさを語り続けた。(超迷惑行為)

「おー、戻ってくんの遅かったな、ヨシ・・・って、おい?なしそげんやつれとうと?」
「・・・・・・あ゛〜、いや、別に・・・(朱里にお前を会わせてもうたけんその反動が俺に来たんじゃボケぇ!)」
私にぎゅうぎゅうと抱き着かれて力いっぱい締め付けられて、与っさんは
「もっと鍛えんと俺、体持たんとよ・・・」
と強靭な肉体を手に入れるために決意を新たにしたとか何とか―――(笑)

上機嫌な私は、るんるんと鼻歌なんかを歌いながらそろそろ家に帰ろうかと後ろの木の影に置いておいたバッグを取りにくるりと振り返った。
そこで、ガサリと葉が揺れる音が聞こえてきた事に首を傾げる。
ん?何かそこに居るの?
「に、にゃお〜ん」
猫かぁ。そういやカズさんって猫みたいだよね。私、猫飼おうかなぁ。
そんなアホーな事をひとり呟きながら、バッグを手に帰途についた。
あ、そうだ。後で柊さんにメールしよっと♪カズさんとの対面で昭栄が居なかったって事は柊さんが気を利かせてくれたって事だもんね。お礼言わなきゃ。




変な伏線を最後に張りつつ、強制終了!
つか、マジに長いよ、コレ・・・(呆然)こういう妄想をし始めると本当に止まらないんですけどどうしたら!?(笑っとけ笑っとけー)

柊さん、続けてくださるならよろしくお願いしまっすーvえへv企画にしてしまいたい思いっきり妄想の世界な話にしてしまいたい、どうですかね柊さん。夢風味で昭カズなびえるも有りーの、な本当に自分達だけが楽しい企画になってしまうだろうけども(大笑)新しい設定じゃなくこの日記で書いたやつを修正加えて続けるのも楽しいよなぁ(こうして私の中でどんどん妄想が広がっていくのだ)