悪ノリ★リレー!第十三話:「彼らと夢の遊園地★」

「そ、そーいうわけで、一緒に遊園地行かん?」
行かない。
のあぁああ!と頭を抱えて悲しむ?昭栄に、私は思わずニヤリと笑った。あぁっ私の中の誰かが昭栄をイジめて楽しんでる…!!ごめんね昭栄、でも自業自得だよっやめられない止まらない…!!
「……えーと…ちょぉよか?」
え。
教室のドアからひょこっと現れた人物に、私は思わずぽかんと目を見開いた。
だってそこには、私の憧れ、カズさんの幼馴染、九州の壁!城光YOSHITADA先輩が…!!
「柊さん?初めまして…えーと、いつもカズと昭栄と朱里が世話になっとーみたいで」
え、幻?私夢見ちゃってる??
「朱里から話聞いたっちゃけど、昭栄もこげん様子やけん…とりあえず遊園地一緒に行かんと?」
おいおいしっかりしろよー、いくら夢見がちだからってよっさんが私を遊園地に誘いに来るとか!妄想しすぎ!もうやだー私ってば!!
むぎっ。

いったーーーーー!!!何すんのなに人のほっぺつねってんのバカ昭栄潰すよ!?
「やって、ほら、夢じゃなかよーって」
口で言えよ!!!ひりひりするよぅ超痛いよぅ〜!カズさんに言いつけてやるんだからぁ〜(泣)
「えぇ!?そ、それだけはっ!!…ちゅーか柊、よっさんの話ちゃんと聞こ?;」
え、よっさ……
「……お前らほんとに喧嘩しとーと……?」
わぁ!!ほ、ほんものだぁ……!!
ちょっと困ったような照れくさいような、よっさんは複雑な顔で目の前に立っていた。顔がどんどん赤くなるのがわかる。どうしよう、と、とりあえず挨拶!?
あの……初めまして!わ、私っ佐倉様とカズさんにいつも仲良くしてもらってて、あの、柊っていいます……前からよっ、城光先輩の、ファンで……!!
やばい、言いながら泣きそうになってきた。手も足も震えるし、恥ずかしい……!
「あ、ありがとう。朱里にも、その、聞いとった。こん前は俺のせいで怖か思いさせて、悪かやったな。」
そんな、先輩が謝ることなんて……!!(なんて紳士なの!!うるうる)
「…ばってん俺にも責任あるけん。こげんこつでよければ、遊園地。カズにもちゃんと言っとくけん、一緒に行かん?」
すっと大きな手が差し出したのはチケット。私の世界はすでによっさんの微笑とチケットだけになってしまっていて。
城光先輩が来てくれるなら…行きますv
てへ★


そんなわけで、やって来ました遊園地!今日はいい天気でよかったですね、城光先輩v
「え、あぁ、そうっちゃね。」
私服のよっさんも超素敵!意外とおしゃれさん!私も久々に白いフワフワのスカートにピンクベージュのトップスなんて乙女な格好をしてみました。
「……なんやぁーお前っ俺がおるこつ忘れとーっちゃろ!!」
え、やだっ忘れてないですよ!今日もカズさんは世界一かっこいいですネ★カズさんと遊園地なんて夢みたい〜!
「さっきまでヨシ見てぽーっとしとったんはどこのどいつじゃ!!あげん顔俺の前ではせんっちゃろ!!何やそのスカートは!!」
しますよぅ!ていうか初対面のときはしてましたよ!思い出して!!
「あ?そうやったっけ…って、違う!なし今はせんと!?」
あっそうだカズさん何乗りたいですかー?最初はカズさんの好きなのに乗りましょうねv
「おい!!」
納得いかない様子のカズさんの腕を取って無理矢理入場ゲートに向かっていく。よっさんに誘われたのは大きかったけど、もちろんカズさんと遊園地、すごく嬉しい。照れくさくて嬉しいなんて言えないくらい。
よっさんも大好きだけど、私が世界一好きなのはカズさんだもん。
「……あ、そ。もうよか!」
ぷんっと顔をそらされた。赤くなってる耳は丸見えだけどね…カズさんたら可愛い!そのくせ腕を振り払わないのは、カズさんなりのお詫びかな?優しいねv

「おい……なんぞあそこよか雰囲気作っとーぞ。お前どげんすっと?」
「うぅう…ばってん柊ばこれ以上怒らせるんは嫌ですけん、我慢です……。」
「つーかな、お前ここ来てから一回もあん子と話してなかやろ。挨拶くらいせんや!」
「だって!よっさんは知らんっちゃろーけど、柊怒るとバリ怖かなんです!!この前よっさんが教室帰った後、うっとり見送っとー柊に声かけたら『は、なに?』とか冷たーい目されたとですよ?俺今まであげん顔されたこつなかったのに…!!」
「それは…まぁカズも柊さんは昭栄にバリ甘かって言っとったしなぁ…。」
「うぅ……俺なしあげんこつしてしまったとやろ……」
「……しょぼんとすんな!今日は許してもらうチャンスっちゃろ?写真は無理かもしれんばってん、反省しとーっちこつばアピールせろ!絶対わかってくれるけん!」
「アピール……ばってん何回も謝っとーのに無理ですもん。どうやって??」
「謝るだけじゃダメったい。元通り仲いい友達に戻りたかっちゅー気持ちば見せるとよ!誠意や!!真心や!!!」

何やら話しながら遅れてやって来たよっさんと昭栄。振り返った私と目が合って、昭栄がずんずんと近づいてきた。な、何だろ。腕とか組んだから怒ったのかな?;
「柊!あの、…この遊園地で一番おもしろかやつ、一緒に乗ろ!!」
え!?と思った瞬間にはがしっと手を掴まれて、走り出した昭栄に半ば引きずられるように駆け出していた。

き、きもちわる……しぬ……。
「おいっ柊どげんした!?顔が土気色やぞ!!」
昭栄に支えられて出てきた私に、出口で待っていた二人は目を剥いた。
うぅう〜……かずさぁ〜ん!(泣)
駆け寄って来るカズさんにぐたっともたれかかる。
「んぁ?そういえばお前絶叫系ダメじゃなかったか……?」
昭栄が連れて行ってくれたのは、園内最高度のスリルが売りのジェットコースター。
「え゛、柊絶叫マシンだめなん!?;」
「お前ぇ〜ちゃんと確認とらんかアホーーー!!!」
あぁカズさん、怒ってくれるのは嬉しいんだけど、今はそれどころじゃ……(死)


んん……???何か目の前真っ暗…???
「気付いたか。具合どげんや?」
ぱっと開けた視界には、カズさんのかっこいいお顔がドアップ。きゃーダメやめてかっこいい!!
「……こら、心配しとーのに何ぽけっとしとーと?起きれるか?」
まだ少しふらつく頭を押さえてゆっくり起き上がると、ベンチに寝かされていたみたいだった。視界をふさいでたのはタオル。
うわー、私寝ちゃってたんだ。もう三時過ぎだよ…。ずっとカズさんに看病させてたなんて…;
「ん?いや、これは…」
「カズさんジュース……あ!柊無事やったと!?よかったぁ〜〜〜ほんとごめん!!」
泣きべそ顔の昭栄にむぎゅーっと抱きしめられて、かなりびっくりしたけど、何か。
……もー、しょうがないなぁ。昭栄のそういう周り見ないで突っ走るとこ、長所でもあるけど短所でもあるよ?
「う゛ん、ほんとごめん…!もう大丈夫や?病院行く?」
あんまりべそべそ泣くから、ついつい可愛い奴め、なんて思っちゃうよ。でもただで許すんじゃ、躾にならない。
冷たい飲み物が欲しいなーっベタベタ甘くない、すっきりしたもの!買ってきてくんなきゃ機嫌直んないなーっ。
「え、えっと…水ならあるとよ!今買ってきたけん。」
あれ。きょとんとする私に、よっさんがペットボトルを差し出した。おぉ、確かに水。カズさんが苦笑気味に言う。
「このベンチ探したんも、タオル濡らして来たんも、そこのアホったい。柊が大変やけんどけや!!ってバカップルに怒鳴っとったぞ。」
わぉ、可哀想なバカップル;でもそうかー、私のためにそんなにしてくれたんだー…。意外と気が利くよね、昭栄ってば…。
「柊、まだ怒ってる……?」
目の前にしゃがんだ昭栄は、まるで子犬みたいに見上げてくる。……もう、可愛い奴め!
怒った顔してやりたいのに、なぜか私の顔はとびきり嬉しそうに笑ってた。

その後私の唯一乗れるもの、観覧車を三周。最初は昭栄と景色とかをケータイでいっぱい撮って、次はカズさんと昭栄の変顔を撮った画像を見ながら笑って、最後によっさんとこの前の試合の話をした。よっさんはあんまり褒められると恥ずかしいとか言ってた。でもしょうがないよね、ほんとにすごくてかっこいいんだもん!
先に降りて待ってたら、昭栄とカズさんも降りてきた。多分仲直りしたんじゃないかな、空気が柔らかい。きっと私のために必死になった昭栄の姿に、カズさんもきゅんときたんだね★
「ぶつぶつせからしか!何ニヤニヤしとーと?」
むにゅっとほっぺをつねられた。昭栄といいカズさんといい、ひどい〜!!ぶすっと膨れると、昭栄が私を指差して笑った。
「柊、そうやっとーとハムスターみたいっちゃ〜。」
「「ぶふっ!!」」
んなっ!?何それ、そんなこと言われたことないんですけど!ていうか先輩方まで、何笑って…………あ!!

カシャー★

三人の笑顔写真、ゲット!驚いてる三人に向かって、ふふふ、と笑いかけた。撮ったのは私だけど、笑わせてくれたのは昭栄だし。
これで約束は果たしたってことで、いいよv
喜んでまとわりついてくる昭栄は後回し、とりあえず佐倉様に送信!!


なげーーーー!!!でもなぜかこれ以上縮まらない;小説一本分はありますよ…調子こいてすんません(死)