今、目の前に居る存在がここに居る事は有り得ないのに、現にここに居るという事に目を点にして凝視する。
あの、何で居るんですか。ていうか私の通ってる学校を知ってるという事が真っ先に不思議に思います吃驚です。 なっななな何でカズさんがここにーーー!?

 
悪ノリ★リレー!第二十話:「突然の訪問、者?」

 
「・・・よう」

驚いている私に軽く手を上げるカズさんは何だかぶすくれた表情で、それがちょっと気になったけれども、今カズさんが明らかに私に声をかけてくれたという事実に舞い上がる。

うわわ、わーわー!カズさん、どうしたの、何で居るの!?
「や、別に・・・通りかかった、っちゅうか・・・」

いやん、なんて素敵な偶然!カズさんがうちの学校の前を通りかかって、そこに偶々帰ろうとしていた私と鉢合わせ、なんて、きゃーv
・・・なワケないでしょ、違うでしょ。カズさんの学校からカズさんのお家ってこっち方面じゃないでしょ逆方向でしょ。 偶然だなんて あ り え な い !

「佐倉?何ボーっとしとうと」
へ?あ、いやいや、カズさんがここに居る事にすっごい吃驚しちゃって。
「あー・・・いきなり悪かやったな。俺、帰るったい」
ええ!?ちょっ、カズさん待って待って!

居心地悪そうにポリポリと頭を掻いてくるりと踵を返してしまったカズさんを追い掛ける。 逃してなるか、せっかくカズさんと会えたってのにこのままお別れなんて嫌ーー!

ね、カズさん。時間あったらどこかでお茶していきたいなー、なんて。
「ん・・・よかよ」
え?
「あ?何トボけた顔しとうと」
や、だって。まさかカズさんがOKしてくれるなんて思わなかったから・・・
「嫌やったらよか。帰るけん」
ちっ違う違う!行きたいです!カズさんとお茶したいです!
「なら行くぞ。なんや他校の前に居んの居辛かやけん」
はい!行きましょう!美味しいコーヒーのお店があるからv

思いもかけず、カズさんとの放課後デート!うわあうわあ、嬉しい!幸せ!
るんるん気分で並んで歩いて、商店街の外れにある、ひっそり佇む私のオススメ喫茶店へと向かう。
でも、その道中でカズさんは私が話し掛けても心ここにあらず、って感じで曖昧な返事ばかり。んー、やっぱ何かあったのかな?どうしたんだろ。
着いた店でコーヒーを注文しても、カズさんはボーっとしたまま肩肘をついて窓の外を見てる。

カズさん?
「・・・ん、あ、ああ。なん?」
コーヒー、冷めちゃうよ?
「あー・・・そうやな」

何だか元気がない。すんごい気になるんだけど、聞いちゃってもいいかな。

カズさん、今日学校で何かあった?

そう聞けば、カズさんはピクリと眉を動かした。あ、やっぱりあったんだ。
てか、それってもしかして土曜日のあの柊さんから送られてきたプリクラに関係してたりするんだろうか。あの後、カズさんずっと膨れた顔のままだったし。
ズズ、とコーヒーを一口啜ってから、聞こうと口を開くと同時に、ズダン!とテーブルが凄い音を立てられた事に驚く。わわ!何!?コーヒーカップを置こうとしていたところだったから、本当に吃驚した。
カズさん、いきなりテーブルを叩いたりしてどうしちゃったの!?

「あかん、俺はこげんこつで考え込んだりすんのは苦手なんじゃ!おい、それさっさと飲んで気晴らし行くぞ!」
へ?え?
「早よぅせろ!」
はっはいい!!
急かされるままに熱いコーヒーを一気飲みして、店を出てスタスタと歩いていってしまうカズさんを追い掛けた。どどどどーしちゃったのー!?と私は混乱するばかり。
着いた先は、土曜日にも来たゲーセン。気晴らしって、ゲーセンで?と首を傾げる暇もなく、カズさんは中へと入っていってしまった。
そして今、目の前には一心不乱にパンチングマシーンを殴るカズさんが居ます。何だか鬼気迫った感じで怖くて声がかけられません。

「うらあ!!」ドゴン!
ひいっ!?

打ちつけたパンチングマシーンの数値は今日の最高ポイントを次々と塗り替えていく。
お、お見事!だけど怖いですカズさん!(滝汗)

あ、あのあの、カズさん。そろそろ他のゲームんとこ行かない?
「ああ゛?」

そそそそんな凄まれても!だってだって、周りの注目集めちゃってんだもんーー!カズさんの鬼迫溢れるパンチ具合に遠巻きながらも視線を浴びちゃってるんだもんーー!

ね、ね?あ、そうだ。この前のリベンジ受けてほしいな。カズさん、ダメ?
「そういやそげん約束もしとったな」
うんうん、じゃあ行こう!

そそくさと逃げるようにカズさんをぐいぐいと引っ張ってその場を後にする。
引っ張ってこれて安心したけれど、次にやり始めた私のリベンジ戦となる格闘ゲームでも、やっぱりカズさんはさっきと同様鬼迫溢れる男らしさを見せてくれた。
いや、格好良いんだけど、凄く格好良いんだけど、でも怖いですーーー!
私がそんなカズさんに勝てる筈もなく、当然のように全敗だった。

「うっし、俺ん勝ち!」
ああ・・・また負けたぁ〜〜;
「あー、何か咽喉渇いたな。佐倉、負けた罰ゲームな、ジュース奢り」

ええ!?罰ゲームなんて決めてなかったじゃん!などと反論出来るわけがない。
了解です・・・と自販機へと足を運んでカズさんご所望のスポーツドリンクのボタンをピッと押す。ガコン、と落ちてきたペットボトルの音が何だか虚しく響いて、今の私の心情を表しているようでガクリと肩を落とした。
ペットボトルを手にカズさんのところへ戻ると、何やら一点をじーっと見つめて佇む様子にその視線の先を見やった。プリクラの機械・・・?
なんだ、もう。やっぱり柊さんのプリクラ関連なんじゃん。
スタスタと歩み寄って、ずいっと目の前にペットボトルを差し出すと同時に直球で言い放つ。

喧嘩したんだ?柊さんと。
「・・・は?お前、いきなり何・・・」
勢いのまま傷付けちゃうような事を言っちゃってどうしたらいいのか判んなくて悩んでますー、ってそんな感じ?
「なっ、なしお前っ!?エスパーか!?」
あ、当たった。だってすんごい顔に出てるよ、カズさん。ほら、眉間に皺。あからさまに悩んでます、って云ってるよ。

人差し指で眉間を指差すと、カズさんはバッとそこを手で覆ってガックリと項垂れた。

そうして、場所を移して話してくれるという事で、ゲーセンを出て近くの公園へと向かう。 ベンチに座って、カズさんが話し始めるのを待っていると、ボソリと小さな声が耳に届いた。

「あんな・・・俺、どげんしたらよかなんか判らんと突き放す言い方ばしてしもうたと」
うん。
「なしこげにイラつくんか自分でも判らんけん・・・無視して、もうた」
うん。
「そしたらアイツ・・・逆ギレしたみたく、帰るっちゅうとう俺に詰め寄ってきたと」
うん。
「話も聞けんような急ぐ用事なん、サッカーバカな俺にあるわけなかや、とか言われて」
うん。(・・・ん?ちょっ、柊さんてばサッカーバカとかなんて直球な言葉を!?)(お前も酷い)
「逃げるんか、言われて、ムカついて・・・そしたら咄嗟にお前の名前言うてもうたと」
うん・・・えっ!?(ちょっちょちょちょ、それって私の事が一番に思い浮かんだとか!?きゃーー!すんごい嬉しいんですけど!)
「柊と仲良か奴の名前言えば驚くやろとか思うて、見返したりたかやったし」
・・・うん・・・(はは、は・・・喜んだところを落としますかカズさん。そこで落としちゃうんですか・・・(凹))
「気が付いたら、佐倉ん学校の前ば居ったと。近かやったし」
うん・・・(あ、ダメ。なんかすんごい私まで落ち込んでく・・・都合の良い女〜♪ってか)
「悪かな、迷惑かけてもうて」

その時のカズさんの済まなそうな表情に、キュンときた。
やだな、もう。私は迷惑だなんてこれっぽっちも思ってないのに。むしろ嬉しすぎる事態です。そこで私を思い出してくれた事が、凄く凄く嬉しいのに。
私で何か力になれるかな、少しでもカズさんの気持ちを軽くしてあげたい。

「なし、俺はこげにイラついたんやろな。別に柊と昭栄が付き合おうと、それ応援したればよかやのに」
んー、やっぱり自分と仲良い人たちがそんな事になってたら悔しく思っちゃっても当然だと思うよ。
「そう、か?」
うん。私はそう思う。・・・ん?いや、違う違う!何でいきなり柊さんと昭栄が付き合ってるとかいう話になってんの!?
「は?アイツラ付き合いだしたんちゃろ?」
んなワケないじゃん!あの2人は友達!いやむしろ親子!恋愛感情なんてあるわけないない!
「え、そうなんか?だけん、噂立っとうし、柊も否定せんかったし」
あのさ、カズさん。柊さんの話聞かずに無視っちゃったんでしょ。本人の口から聞く前に自己完結しちゃったのね?
「・・・・・あ。」
「あ」じゃないよ、もう・・・;噂ってのは勝手に動いちゃうもんなんだから、思い込んじゃダメだよ。ね、柊さん本人にちゃんと聞こう?話、しておいでよ。
「ばってん・・・アイツ怒っとうやろ」
はい、それも思い込み!後ろ向きな考えなんてカズさんらしくないよ。さっさと謝って、話を聞いてスッキリしちゃお!
「そう、やな。サンキュな、佐倉。そうするったい」
ん。頑張れ、カズさん!
「おう」

ニッと笑ったカズさんの顔は、いつも通り自信に溢れて格好良くて、走り去った後もポーッとしながら見送った。
あーもう、羨ましいよ柊さん。カズさんに嫉妬されちゃうほどに思われてるなんてさ。
・・・ってか、あれ?なんか私の腐女子脳が何かを察知したよ?カズさんの嫉妬って柊さんと昭栄、どっちに? いや、カズさんの事だから両方に、ってのが妥当のような気もするけれど。あれぇ?

そんな考えに首を捻りまくっていると、携帯からメール着信の音が鳴った。考えつつも携帯を開くと送信元は与っさんからで。
そういえば、今日帰ってから私のテスト勉強見てもらう約束してたんだっけ。その事かな?
そう思ってメールを開いて、文章を読んでから「えええ!?」と叫んでしまった。

『今日ば柊さんんこつ家に送ってからになるけん、行くの遅くなると』

なななんで!?何で柊さんを送り届けると!?何じゃその紳士っぷりはーーー!え、デート?デートしてんの?ええ!?
 


丸投げ万歳☆好き放題に書いてます、私。超楽しい!イエー!
本当に夢的展開ですねぇ。すいません、私の脳内は基本的に夢傾向にあるようです;ご、ごめんね!
でも最後の方にちょろんとびえるちっく発言もしておきました!(ええ!?あんなもんでびえるちっくとかほざくの!?)