爽やかな空の下、屋上でお昼ご飯。周りには大好きな友達が三人。
なんて素敵なシチュエーション!


悪ノリ★リレー!第三十一話:「予期せぬ展開」


のはずが、何か空気がすっごい淀んでるんですけど……。異様にピリピリしてる人二名、その二人に意味もなく八つ当たりされてビクビクしてる人一名。
……何か、ちょー居辛い……。ねぇ昭栄、何か部活の話とかあるの?席外そうか?
「え゛!?いやいやいや!!頼むけんおって、一人にせんで!!」
えぇー……。
とは言いつつも、こんなに必死な顔をされたら立ち上がるわけにもいかない。うー、でもこういうの苦手!何か話題ないかなー……
あ!そうだ、今度佐倉様の学校文化祭やるんですって!
「へ、へーそうなん!?何するとですかねー、ねっカズさん!」


しーーーーーーん。


え、なに!?何この微妙な空気!?
「あー、そうやな。そげんこつ言っとったなぁ。」
おろおろする私と昭栄に、カズさんは気のない返事。まぁカズさんはそういう人だからいいとして(酷)問題はぴくっとこめかみを引きつらせた、よっさんの方。怖いよ、無言が怖いよ!!
「よっさん……?あのー、今朝からおかしかばってん、何ぞあったとですか?」
怯えつつの昭栄の言葉に、しばらくしてよっさんがため息をついた。
「いや、何もなか。気ぃつかわせて悪かやったな。」
何もないって、尋常じゃなくおっきなため息だったけどなぁ。聞かない方がいいのかな。
「で?何の話やったと?」
うわ、話も聞こえてなかったんだ。これ相当重傷なんじゃないの?やっぱ聞くべき?
「あー、佐倉…さんの文化祭、何するっちゃろー?って言っとったです。よっさん知っとーとですか?」
先輩二人の手前慌てて敬称を付け足した昭栄は、ようやく普段の調子に戻ったよっさんにほっとして笑った。うーん、タイミング逃しちゃったな……。
「あぁ……そういや何か布ば持っとったな。」
「布?衣装っちゃろか?」
「多分。ばってんあいつ裁縫苦手やけんなぁ。衣装なんぞ作れんっちゃろ。」
「そうなんか?料理はうまかやのに。」
ふぇー、私も知らなかった。ふむ、衣装かぁ……やっぱアレ?お約束っていうか、ねぇ?
「「「???」」」
三人ともきょとんとしてる。あれ、伝わらなかったかな?わかりやすいように……しなっと小首をかしげて上目遣い?


ほら、「お帰りなさいご主人様ぁv」っていう。


ぐっ!!!げほごほげほっっ!!!」
うわっ何!?どうしたんですかカズさん!?
「なん、げほごほっ!!」
派手にムセているカズさんに驚いていると、昭栄の手が肩に乗る。
「柊、そげんとこでバイトとかしたらいかんよ!」
……何を真剣な顔で言ってるんですか君は……。
「やってー、柊ってキャラがね、ゾク○ードールと似とーもん。」
はい?
「ぶりっことキレキャラのスイッチが!結構評判っちゃよ?」
まぁ、実際友達には言われるけどさ……ほっとけ!
「……げほっ、はぁ……びっくりした……」
よっさんに背中をさすられて、カズさんの咳がようやく収まった。うん、私もびっくりしたよ……。
「ったく、お前がいきなり意味わからんこつするけんやぞ!」
え、何で私が怒られてるんだろう…いや、でも私のせいか?;私としては笑いをとりたかったんだけど、カズさんてば手強いな!
「んー、まぁそこまではいかんでも、喫茶店っちゅーんはアリかもしれんな。」
苦笑しつつのよっさんの言葉とともに、昼休み終了のチャイムが鳴る。教室に戻る途中で、佐倉様にメールを打った。
『布の山に苦戦中とのこと。わたくしでよろしければお手伝いしましょうか?手作りお菓子で手を打ちますよぉ〜(笑)』っと。




HR直前にメールが来た。佐倉様かなー?と思ったら、珍しくカズさんから。あんまり珍しいから、思わずきょろきょろと辺りを見渡してしまう。いや、だってさ!へへ!!
うーんと、部活始まる前に話したいことがある、か。何だろう??はっ……もしかしてとうとう昭栄と進展が!?恋話だったらどうしようっ!!!
やっばい、超楽しみ。




にこにこが止まらなかった私の頬は、カズさんの発した一言でぴしっと固まった。何ていうか、張り付いたみたいに顔の筋肉が動かない。というより、脳機能が一時停止中?
…………えーっと…………ごめんなさい、私聞き間違いしたみたいなんですけど、今何て仰いました?
「なっ……あー、……だけん!」
がしがしっと頭をかいて、カズさんはまっすぐに私を見た。


「だけん、お前が好きや!……って言っとーと……一回で聞いとけ!」


はぁああああああ!?
「!?何やその反応は!?」
いやいやいや、何やはこっちのセリフですから!
「はっ?」
だってカズさん!ちょっと落ち着いてっ!!!
「ちょ、近、お前が落ち着け!!」
いやいやいや、何ですか今の?え、練習??
「はぁ!?」


だってカズさんは昭栄とくっつくんじゃん!!


「………………おーまーえーはぁあああ!!まだそげんこつ言っとーんかアホんだろがぁ!!」
むぎゅーっと耳を引っ張られて、痛みに思わず身をすくめた。痛い痛いっカズさん痛いです!!何で怒ってるのー!?
「何でって、それこそこっちのセリフったい!!どこの世界に告った女にそげんこつ言われる男がおると!?」
私はただ事実を言ったまででっ………………え、もしかして………………本気で言ってるんですか!?
「……あのなぁ、俺が冗談でこげん恥ずかしかこつ言う奴に見えると?」
見えません。
あれ、ってことは本気?え、本気!?いやいやいや!!え!!?
「お前、まさか本気で理解できてなかか?」
うん。
きっぱりうなずいた私に、カズさんはお昼のよっさんよりも長くて大きなため息をついた。怒ったかな?と思って顔色を伺っていたら、頭をぐしゃぐしゃっとかき回される。
「まぁ、よか。お前が俺んこつあんま意識してなかなんは知っとった。」
え、いや意識してないとかじゃなくて……
「黙っとれ!お前は余計なこつばっか言うけんな。」
う、否定できない。髪を手ぐしで直しながら黙って見上げた私に、カズさんは自信満々に笑いかけた。
「今日言ったんは、自覚したら黙っとれんかったけん。お前はショーエイともべたべたしとーし、先に言っとこうと思ってな。」
昭栄……。
「ショーエイんこつ好きなんか?」
へ?いやいや。だって昭栄はカズさむぐぐ!
「ん、ならよか。そのうちそげんこつ言えんようにしてやるけん、覚悟しとけや!」
私の口を片手でふさいだままにっと笑って、カズさんは颯爽とグラウンドへ向かって走り出した。




……………………いや、ちょっと待って。行かないで!!え、本気で!?




あんまり遅くになってしまったので、男らしくどどんと進めてみました!!
あえてよっさんには一人で悩んでいただいております(笑)←笑うな